マセラティの魅力と欠点。9台乗り継いで感じたこと

グランツーリスモスポーツ MCシフト

フェラーリ傘下で設計がなされた
5代目のクアトロポルテや
グラントゥーリズモ。

フェラーリF430系統の
V8自然吸気エンジンをはじめ

ピニンファリーナによる
美しく妖艶なデザインなど

いまも色褪せない魅力を放つ
この頃のマセラティ。

マセラティ 中古車

2009年式 MCシフト
グラントゥーリズモS

2013年式 MCシフト
グラントゥーリズモスポーツ

2010、2011、2013年式 6AT
クアトロポルテスポーツGTS

2014年式 MCシフト
グランツーリスモMCストラダーレ

これらを9台乗り継いだ中で
マセラティの長所や魅力、

そして欠点といえる部分を
お話したいと思います!

 





 

グラントゥーリズモや
5代目クアトロポルテといった
2010年前後のマセラティの魅力。

まず最初は・・・

 

魅力①:法定速度でも気持ちいい響き渡るサウンド!

グラントゥーリズモ MCストラダーレ リヤマフラー

はい、最初はこれですね^^

フェラーリ製V8エンジンの
響き渡る抜けのいい高周波サウンド。

下の動画が
運転席で聞く音に近いですね。

外から撮った動画ですが
実際に街中を運転してる最中も
窓を少しでも開ければこんな感じで
マセラティサウンドが身体を包みます。

車内から撮ったオンボード動画だと
「ポロポロポロ・・・」って感じの
音になってるのが多いですが、

実際の音はそんな感じは全くなく
ファ~~~ンって
響くこと響くこと^^

で、ここでポイントなのが
この鳴きの入った高周波サウンドが
「法定速度」で十二分に楽しめる
っていうのがミソなんです。

街中の制限速度である
40~50km/hっていう速度内でも
さっきのYoutubeのような音を
堪能しまくれます。

この手のクルマだとどうしても
音を楽しもうと回転を上げていくと
それこそ免許が何枚あっても足らない

なんていうスピードが出過ぎる
街中では危険な状況になってしまって
非常にストレスがたまりますが

フェラーリ製NAエンジン搭載の
この頃のマセラティでは
そんなことありません!

スポーツモードにして
マフラーのバルブを開けば
信号スタートから楽しめます^^

音が一番響くポイントが
2000~3000rpmという
低い回転域にあるので

4.7リッターV8の
クアトロポルテスポーツGTSだと

2速で30~40㎞/h、
3速で50~60㎞/hが
ちょうどこの一番響く回転域。

だから街中の制限速度内であっても
ファァァ~ンっていうサウンドを
ずっと楽しむことができるんです!

アクセルをゆっくり開けていくと
キレイに音程と響きが高まっていき

5.1chサラウンドのような立体的で
中毒性のある高周波サウンドが
鼓膜と脳を刺激します^^

アクセルをゆっくり開けてくと
っていうのもミソで、

アクセル開度が甘めだと
普通は音がおとなしいままで

全然楽しめないなんていう
クルマが多いですが、

4.7リッターV8搭載のマセは
アクセルをゆっくり、じわ~って
開けてく方がイイ音が楽しめて

逆にフル加速みたいな
アクセルをワイドオープンにすると
音が一本調子に上がっていくだけで

車内には甘美な響きはなくなり
個人的にはあまり楽しめません。

・スポーツモードでバルブオープン

・変速はMTモードにして

・運転席の窓をちょっと開ける

この状態で街中をフツーに流すのが
サウンド的には一番オイシイですね。

そしてサウンドを追い求めるなら
トルコンのオートマよりも

セミオートマのMCシフトの方が
数段上の快音を楽しめます。

マセラティ MCシフト

普通のオートマだと
トルクコンバーターがある関係で

MTミッションをベースにした
セミオートマの車両と比べて
どうしても音のキレが劣ります。

その点、MCシフト(セミAT)だと
トルクコンバーターという介在物もなく
排気系の取り回しも異なることで

より一層の官能フェラーリサウンドが
楽しめるのが美点^^

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特に20km/hぐらいの
ノロノロ運転をしている時に
アクセルをオフにすると

ガラガラガラ~~~

ゴロゴロゴロォ~~

と、雷鳴が轟くような
すごいサラウンドがかった
排気の転がる音が快感・・・!

これはトルコンオートマの
グラントゥーリズモや
クアトロポルテでは楽しめない

MCシフト(セミオートマ車)だけの
特権といえるものだと思います。

 

イイ音を、普段から楽しめる

これがこの頃のマセラティの
最大の魅力じゃないでしょうか?!

 

先日、メンテナンスで2017年式の
ギブリSを代車で借りてたんですが
その時もやっぱり感じたのは

新世代のギブリやクアトロポルテは
街中だと音を楽しみにくいなってこと。

ギブリのV6ターボは
車内を包み込む響きは少ないけど
スポーツモードの4000rpm以降は

クァァ~ンって甲高い音がでて
気持ちがいいんですが

・4000rpm以降

・けっこうアクセルを
踏み込み気味じゃないと響かない

っていう縛りがあるから
街中じゃスピードがですぎて
危ないんですよね・・・

スポーツモードにすると
アイドリングの音が野太くなるから
バルブはオープンしてるみたいだけど

2000~4000rpmぐらいは
甲高い音はでないし音消えしてて
ぜんぜん響かないんです。

で、4000rpm超えたあたりから
クァァァ~ンと甲高く響くけど
もう街中じゃ危険すぎる速度に。
響きはするけど室内が包み込まれるような響きじゃなく
クルマの後ろの方で鳴っている感じなのも4.7V8に比べ
ちょっと惜しいポイントであります・・・

だから一般道を安全運転で走ると
ボォ~っとこもった音しか聞こえず
せっかくマセラティに乗っているという
特別感は感じることができないし、

かといって音を楽しもうと思って
アクセルを深めに踏み込んでいくと
スピードがですぎて危ないし。。。

一般道で音を楽しめる
スイートスポットが狭すぎる・・・

それにひきかえ
NAの4.7リッターV8は

・2000rpmあたりから響きまくる

・「緩加速」こそ響きがでるし
ファァ~ンっと甲高く鳴きまくる

っていうキャラクターだから
いいんですよね~^^

 

あと、余談ですが中古車を見ると
右ハンドルの個体もけっこうありますが
音を楽しむなら左ハンドルです。

左ハンドルだと道路沿いの
家やビル、壁などで反射した音が
これまた運転席に届いてくるので

常にトンネル内のような感じで
右ハンドル車よりもさらにいい感じで
サウンドに浸れますので・・・!

 

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※コルベットに乗換えた時も「街中で楽しめるマセラティのサウンド」っていうのはホント貴重だな~としみじみ感じたものです・・・コルベットのOHV6.2リッターV8も3000rpmぐらいからマセラティほど響きはないものの甲高い感じになってきますが、ギヤ比がロングすぎて音を楽しもうとするとスピードが出すぎるから街中じゃ・・・ちょっと楽しめないのが残念。

 

魅力②:美しい室内の雰囲気

マセラティクアトロポルテスポーツGTS 内装

マセラティの魅力②は、
インテリアの雰囲気の良さでしょうか。

キメの細かいなめらかな
ポルトローナフラウのレザーシート、

無数の組み合わせができる
トリムの数々・・・

ピニンファリーナが描く
エクステリアデザインに加え
この内装の雰囲気がいいんですよね。

あと個人的にいいなと思うのが
ダッシュボードなど樹脂部分。

クアトロポルテスポーツGTS インテリア

この部分のシボの感じや
固そうに見えないのがお気に入り。
(実際触ってもソフトな感じ)

この部分がいかにも固そうな
プラスチック感があると
安っちくて雰囲気が台無しです。

1000~1500万クラスの中でも
そんな残念なクルマも散見するだけに

このダッシュボードの樹脂の成型は
上手いなと思う次第で。

外観と内装のデザインが生み出す
ラグジュアリーな雰囲気も

マセラティの魅力の一つ
ではないでしょうか。

ただ、ベンツSクラスなど
ドイツプレミアムブランドの
精巧な感じはないかな~っていうのが
正直なところではあります・・・

工業製品というよりかは
この頃のマセラティは美術工芸品の
色合いがまだまだ濃いかな~と。

 

魅力③:維持費があまりかからない

マセラティ 中古 注意点

ネットとか見てると
維持費に年間100万かかるとか
けっこう怖いこと書いてあって

故障するから気をつけろと
脅かすよなのを見ますが

2010年あたり以降であれば
毎日乗って1ヶ月に1000㎞、
年間1万2000㎞とか走っても
別に故障もしないし

エンジンオイル交換くらいで
別にこれといった手のかかることも
ないので維持が楽です^^

マセラティの維持費や保険料、
燃費、日常の使い勝手などまとめた
記事がありますのでよければご覧ください。

マセラティグランツーリスモ【意外と安い】維持費や保険料

クアトロポルテ【気になる維持費や保険料】は高い?安い?!

クアトロポルテ4.7GTS 3.8GTS

ココまでお話ししてきた
マセラティの魅力。

フェラーリ製V8のサウンドを
法定速度内で楽しめる

イタリア車らしい妖艶な雰囲気

この手のクルマとしては
維持費がそんなにかからない

これらがマセラティの魅力であり
長所といえる部分じゃないかと。

では、次から「欠点や短所」と
感じる部分にフォーカスします。

 

欠点①:先進装備が特にない

 

え~っと、コレですね。

マセラティは楽器なので
しょうがないですねこれは(苦笑)

車線変更で後ろから迫る
クルマの存在を教えてくれる
ブラインドスポットモニターや

自動ブレーキなど
先進の安全装備とかは
まったくもってついてません。

アイドリングストップもないし
(あっても使わないけど・・・)

ナビだってリモコン入力の
超使いづらい化石みたいなやつだし!

 

欠点②:音だけ番長!速くはない

マセラティ エンジン内部

4.7リッターV8 NAエンジン。

グラントゥーリズモSや
クアトロポルテスポーツGTSは
440ps/50kgm。

グラントゥーリズモスポーツは
460ps/53kgm。

0-100㎞/h加速は5秒程度。

だから遅くはないです。

遅くはないんですけど
速くもないってのが現実かと。

車格的にはだいぶ下の
ベンツA45AMGとかの方が
よーいドンだと圧倒的に速いでしょう。

4.7リッターの大排気量ながら
車重が2tオーバーのこともあってか

その排気量やスペックの割には
速い!・・・とは感じないのが
実際なところです。

低速から分厚いトルクで・・・
なんてこともありませんし、

高速巡航から再加速でも
4速ぐらいまで落とさないと
6速ホールドだとかったるい。

とまあ、こんなパワー感ですが
でもこのパワー感だからこそ

先ほど魅力の部分で話した
「音が楽しめる」のかもしれません。

程よいパワーだから
法定速度内でマフラーの奏でる
美味しい部分をうまく使える、

いまどきの8速ATとかみたいに
ギアの間隔が小さく刻まれ過ぎて
回転の上がりがせわしいのと違い

6速のミッションというのも
サウンドを楽しむのには適しているかも。

いずれにしても音はすごいのに
その音ほどには速くないというのが

自然吸気V8を搭載した
マセラティの実情であります。

 

欠点③:個体差がけっこうある

 

この頃のマセラティを
中古で狙っているなら注意なのが
「個体差」があるというもの。

いわゆる「当たり」や「ハズレ」が
距離や年式で比例しないと思います。

ネットの画像はキレイなのに!中古車選び、実車を見ないで買うのは危険?!

上の記事でも書きましたが
前オーナーの使用状況でも
大きく異なってきますし、

クアトロポルテスポーツGTSは
3台も乗り継いできてるだけに
この個体差がよくわかりました。

たとえば・・・

・ハンドルの重さ

・オートマの変速のマナー

・スロットルのつき

・排気音

・車高
なぜかいま乗ってるスポーツGTSは前に乗ってたのと隣同士で比べると
それぞれノーマルサスなのに1㎝くらい車高が違ったり・・・!

こういったもろもろが
車両ごとに微妙に違います。

「当たり」の車両を
うまくつかめればいいですが
ハズレをつかんでしまったら
目も当てられないので

グラントゥーリズモや
5代目クアトロポルテを
中古で狙っているなら

1台に絞ることなく
できれば何台か見て回って
それぞれの差を確認するのが
おススメです。

 

欠点④:オートマモードが使い物にならない

 

マセラティを9台乗ってきた中で
「オートモード」で走った時間は
トータルで5分ほどでしょうか・・・

セミオートマは言わずもがな、
トルコンのフツーのATであっても
機械任せの変速は使い物にならず!

まずセミオートマのMCシフトは、
加速時のシフトアップの際に
特に1速から2速なんかには

頭が前のめりになるような
減速感があっていただけない。

アクセルの踏み加減とかを
機械が変速するタイミグを考えて
調節すればある程度はマシになるけど

結局そんなことを考えて乗るぐらいなら
マニュアルモードでパドル使う方が
1万倍気持ちいいし違和感もない。

次に大いに問題だと思うのは
フツーのオートマなのに
オートモードが使い物にならない件。

クアトロポルテスポーツGTSは
トルコンオートマですけど
こちらもマニュアルモードで
パドルシフトしかしたことありません。

マセラティ クアトロポルテ チューニング

機械任せのオートモードだと
こちらもスムーズとは言い難い

いかにも「ギア変えました!」
っていうラフな感じがあるし、

かといって街中を巡航していて
先にある信号が赤になっているから
アクセルを抜いてエンブレかけていくと

何を思ったかシフトアップして
エンブレが効かなくなるような始末。

前に車がいる時にこれになると
ちょっと恐い思いをします・・・

正直これ以外にも
「何をどう考えて制御してるのか」
と疑問に思うような訳の分からない
変速スケジュールになっているから

・怖くて使えない

・違和感がありすぎて使わない

といったマセラティのオートモード。

まあ、パドルシフトしか使わないし
その方が気持ちいいから問題ないですが

もうちょっとまともにしてよ(怒)
とは思う次第であります。。。

※もちろん新世代のギブリや6代目クアトロポルテ、
レヴァンテのZF8速ATはまともなATですよ^^

 

サウンドと雰囲気。それに惚れたなら・・・

クアトロポルテ 中古

5代目クアトロポルテや
グラントゥーリズモ。

特にコレといった
先進装備は付いていないし

そこまで速くなくて乗り心地も
空飛ぶじゅうたんみたいな良さは
全くないけれど

排気音や雰囲気に惚れたなら
買って後悔はないと思います。

逆にあなたがドイツ車のような
機械的にしっかりしてるなどの部分に
共感をするスタンスであれば

たぶんこの頃のマセラティは
満足できないはずです。

ドイツ車的な良さを求めるなら
6代目のクアトロポルテや
ギブリの方がいいと思います。

5代目クアトロポルテや
グラントゥーリズモは

イタリア車らしさが
良い意味でも悪い意味でも
残っているので

それが合うか合わないかは
是非実車に触れて
判断してみてください^^

 

こちらも注意⇒マセラティの中古を買うときに「損」しないためには?

マセラティクアトロポルテ

マセラティの魅力や欠点を
いろいろとお話をしましたが

あと注意したいポイントといえば
マセラティの中古を買うなら

下取り額を信用しちゃダメ
っていうのがあります。

いま乗っているクルマを
下取りしてもらうなら

提示された下取り額、買い取り額を
鵜呑みにすると損をする危険性
あります!

実際自分でもあったのが・・・

事例①
CL7 アコード
  • 12年乗って13万㎞のホンダのスポーツセダン
  • 中古車屋の下取り提示額⇒10年超えてるから値段がつきません
  • ネットの一括査定で相場チェック⇒40~50万
事例②
E92 M3
  • 10年落ちだけど3万㎞のBMWM3
  • 中古車屋の下取り提示額⇒340万が精いっぱいです・・・
  • ネットの一括査定で相場チェック⇒400万

いや、ホント最初の事例に挙げた
「10年超えてるから値段がつかない」

って言われたのはすごく記憶に残ってて
クルマを見もせずにバッサリでしたから(泣)

でもそんなことないと思って
ネットの一括査定でホントに価値がないか
確認したら40~50万じゃないですか!

 

だけど「値段つかない」って言われて
良かったのかもしれません。

自分の中では12年も乗って13万㎞だから
20万ぐらいの下取り額になればいいかな
なんて思ってたから

「25万で下取れますよ♪」

って言われてたら一括査定で
相場を確認することもなくそのまま
手放してたかもしれません・・・
この時は結局45万で売れました^^

だからあなたも
マセラティを中古で狙っているなら

いま乗っているクルマに
どれぐらいの価値があるか
相場を確認するのがおススメです。

そうじゃないと40万や50万は
すぐに損をしかねません・・・

下取り価格が高ければ
毎月のローンを1万も2万も
安くするのも夢じゃありませんし、

お目当てのマセラティの
購入予定を前倒しすることだって
出来ちゃいますしね^^

まずはあなたも愛車の価値、
確認してみてはいかがでしょうか!?

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