知らない方がいい【クルマを壊す、故障させる乗り方】とは

車 故障 立ち往生

クルマの故障、不具合、トラブル。

朝、乗ろうとしたら

「アレ?なんか調子がおかしい」

なんてことが突然発生し
修理をするとなると

5万や10万がすぐに飛んで
手痛い修理代の出費に
見舞われることになりますが、

クルマの故障は
普段のあなたの乗り方によって
招いている場合があります。

 

現在、整備工場さんに部品を
卸す商社の仕事をしていて、

前職はオイルメーカーに勤務し
自動車のゴム素材やタイヤに混ぜる
オイルを大手化学メーカーに営業したり
エンジンオイルなども扱っていましたので

これらの経験などをもとに
普段何気なくあなたがやっている

「クルマを壊す乗り方」

を紹介していこうと思います!

 





 

1.長時間のアイドリング

はい、まずはコレです。

スーパーやショッピングモールなど
駐車場を見てみると1時間も2時間も
アイドリングしている車を見かけますが

これはかなりNGです!

長時間アイドリングの
なにがよくないかというと

走っている時と違って停車しているので
走行風があたらずエンジンルーム内が
「灼熱地獄」になってしまいます。

特に夏場なんかは
高い気温、直射日光、地面からの輻射熱
といった温度上昇要因に加え、

エアコンを使ているので
圧縮して熱を持った冷媒ガスの
熱の影響なんかもプラスされます。

では、このエンジンルーム内の
熱害による影響でトラブルがでる
部品としては・・・

①オルタネーター(発電機)
オルタネーター 参考画像

バッテリーへ電気を供給する
発電機のオルタネーター。

発電する時には
キンキンに熱くなりますし、

長時間アイドリングのような
エンジンルーム内が熱くなる状況では
なおのこと高熱になってしまい

内部部品が熱でパンクして壊れ
発電不良⇒バッテリーあがりで
走行不能という流れになります。

また、このオルタネーターは
エンジンの回転をベルトを介して
駆動しているので

アイドリングのような
エンジン回転が低い時には
発電量が少なくなりますが、

こんな時にエアコンがついてて、
オーディオやナビがONになっていて
・・・と、

このようにアイドリング中に
クルマの電気をたくさん使っていると

エンジン回転数が低く
元々発電量が少ない状況なので

バッテリーがあがらないように
オルタネーターは常にフル稼働して
どんどん発熱していきます!

発電による発熱、
走行風もなく暑くなりつづける
エンジンルーム内の環境・・・

このような状況が重なって
オルタネーターにダメージが蓄積し
突然故障してしまいます!

このオルタネーターが壊れると
新品定価は10万~15万前後しますし

安価なリビルト品でも
部品代だけで5万前後
ちょっと痛い修理代になります。
発電不良でバッテリーがあがってしまったら
バッテリーも交換しないといけなくなったりもしますし!

 

②ゴム部品などの劣化
エンジンルーム 劣化

ボンネットを開けてみると
エンジンルーム内にはいろいろな
ゴム部品があるのがわかると思います。

ラジエターホースなどの
ゴム部品をはじめ樹脂部品や
センサー関係の部品なども

長時間アイドリングによる
エンジンルーム内の灼熱地獄によって
ダメージが蓄積していきます。

以前、オイルメーカーの営業の時に
ラジエターホースの原料である

EPDMというゴム素材を生産している
大手化学メーカーに行った際に

そこの技術の方が
興味深いことを言っていたのが

・軽自動車が一番キツイ

ということ。

普通車よりもエンジンルームが狭く
ギッチギチで熱がこもりやすいので
耐熱性能など要求値が高いのに

軽自動車だからコストにうるさく
安くしないといけないから大変。

っていうことを言っていたのは
なかなか興味深かったです。

いずれにしても軽自動車に限らず
長時間のアイドリングによる
エンジンルーム内の灼熱地獄は

ゴム部品をはじめとした
様々な部品にダメージを与え続けます!

 

2.冷えてるのにガンガン走る

車 暖気

朝一、エンジン始動させて
すぐにアクセルを深く踏み込んで
かっ飛ばしていく・・・

忙しい朝の通勤時間帯には
よくやってしまいがちですよね?!

でも、これもあなたの車に
ダメージを与えています。

 

で、何にダメージがいくかといと
「ミッション」(特にオートマ!)

エンジンは火がついているので
始動後に暖気などで比較的早く温まり
そんなに影響が出ることはありませんが
問題はミッションなんです。

ミッションはエンジンと違って
走行して動いていなければ
温まっていきません。

MT=マニュアル車であれば
冷えている時にはギアの入りが
渋かったり悪かったりっていうのが
手のひらを通じて感じられるので

ギヤをいたわりながらシフトして
・・・と気遣いやすいですが

オートマだと朝一始動直後でも
アクセルを踏み込んでいけば
不平も言わずに変速していきます。

でもミッションオイルであるATFが
冷えている状況ではオイルが固く

そんな状況でガンガン普通に
アクセル踏んで走ると
変速時にストレスが蓄積します。

なのでミッションオイルが
温まる10~15分程度は

回転数を上げずに
浅いアクセルの踏み込みで
優しく暖気運転してあげるのが

ミッションの不具合リスクを
低減することができると思います。

 

3.駐車時、止まりきる前に「R」にいれる

車 駐車

これ、けっこうやってる人
多いんじゃないでしょうか?!

スーパーの駐車場とかで見てると
時速5km/h以上出てるんじゃないか
っていうスピードが出てる状況で

オートマの「R」にシフト入れて
バック駐車をする人が多いこと!

でもこれも確実に
ミッションにダメージ与えます。

これがAT車ではなくMT車なら
止まりきる前に「R」にしたら

ギャギャギャ・・・!

っと、ギヤから嫌な音と
シフトノブを通じて痛々しい
手ごたえが伝わってきます。

オートマでは止まりきる前でも
「R」に入れても多少のことなら

何事もなかったように
シフトをしてくれますし、

たしかに完全に止まってからよりも
止まりきる前に「R」にいれて
ササっと駐車したほうが
カッコいいかもしれません。

しかし機械的には
大きな負担がかかっているというのは
認識しておきたいところです。

すぐにどうこう
ではないかもしれませんが、

オートマがぶっ壊れたら
30万や40万は飛んでいくので

「R」に入れるときは
ちゃんと車が止まってから
っていうのが安心ですよ!

 

4.エアコンつけてるのにガンガン高回転まで回す

カーエアコン 故障

フツーのガソリン車や
ディーゼル車の場合に要注意なのが

エアコンを作動させている状態で
エンジンを高回転までガンガン回すのは
あまりよろしくないということ・・・!

カーエアコン 不具合

エアコンのガスを圧縮する
コンプレッサーは上の画像のように

エンジンを動力源として
ベルトで駆動しています。

で、エンジンが高回転になれば
それに合わせてベルトの回転も
高速になってコンプレッサーの
内部も高速で作動します。

このエアコンの圧縮機である
コンプレッサーの内部は
どうなっているかというと・・・

ピストンタイプ
コンプレッサーカットモデル

スクロールタイプ
スクロールコンプレッサー
蚊取り線香のような渦巻が特徴的ですね~

こんなような感じで、
エアコンガスを圧縮するための
ピストンなどが動いています。

もちろんコンプレッサーの中には
オイルが入ってて潤滑されていますが

エンジンオイルのように
「オイル交換」なんてしません。

その結果、どんどん汚れていき
微細な金属の削れカスや
スラッジが発生し、

エアコンのサイクル内にある
フィルター部分であったり

髪の毛の細さしかないような
ノズル部分などでつまってしまい

異常高圧⇒コンプレッサーの
焼き付きなどの故障や不具合に
つながっていってしまいます。

そしてこのコンプレッサーに
不具合がでて修理するとなれば

コンプレッサーの交換だけでなく
前述したフィルターやノズル部分など
関連したパーツの交換も必要となり

10万や20万が飛んでいく
高額修理に見舞われます・・・!

カーエアコン トラブル

このエアコントラブルの元凶となる
コンプレッサーオイルの劣化や
汚れを助長するのが

冒頭で言ったエアコンをつけているのに
エンジンを高回転まで回すような
乗り方をすること。

また、このオイルを汚さないためにも
年がら年中エアコンをつけっぱなしで
乗るってのもどうかと思うのです。

寒いときはエアコンはオフにして
ヒーターで車内をあっため、

涼しいときはエアコンを消して
窓を開けて走る・・・

っていうような気づかいをすることで
エアコンの故障リスクを低減できますし

エンジンのパワーロスが解消され
燃費の向上にも貢献するので
おススメですよ^^

 

5.ドアミラーをいつもたたむ

ドアミラー 故障

クルマを駐車する時に
ドアミラー、たたんでいませんか!?

もし駐車場の広さの関係で
どうしてもたたまないといけない
っていうような状況じゃなければ

ドアミラーは
たたまないのがおススメです。

 

日々整備工場さんなどから
ドアミラーのモーターが壊れて

・うるさい異音がでてる

・閉じるけど電動で開かない

なんていう不具合から
中古のドアミラーを探して~って
お問い合わせが毎日きます。

ドアミラーの新品定価は
3万~5万程度はしますし、

カメラ付きのドアミラーなんかだと
新品定価が10万オーバーとか!

 

エンジンをかけたり切ったりするたびに
何気なくドアミラーを開閉していたら

1日に何回ぐらい
開閉してるんでしょうか。

これが1年だったら
何千回も開閉することに
なるんでしょうか?!

それだけ使っていけば経年劣化で
電動格納のモーターが壊れるのは
当然と言えば当然・・・

このような状況なので
どうしてもドアミラーを
たたまないといけない場合以外は

いちいち格納しない
ということを心がけるだけで
ドアミラーの故障を回避できますよ^^

 

余談ですが、スマートキー仕様のクルマで自動でドアミラーが開閉しちゃう場合はこの機能を解除する設定をするのがおススメです。

でもGE系のホンダフィットとか一部の車種はどうやらスマートキーだと自動開閉機能がキャンセルできないようで・・・

その結果ドアミラーのモーターが壊れたから安い中古ドアミラーを探して~っていう整備工場さんからのお問い合わせが多いこと多いこと・・・

こんな“おせっかい機能”のせいで3万や5万が飛んでいくような修理代に見舞われるので困ったものです!

 

車を壊さないために・・・

車 メンテナンス

さて、ここまでいろいろと
「車を壊す乗り方」を
ご紹介してきました。

①長時間のアイドリング

②冷間時にガンガン走る
(ATを守る暖気運転)

③止まりきる前に「R」にする

④エアコン故障の原因

⑤ドアミラーの故障原因

 

今回ご紹介したのは、
普段何気なくやってしまいがちで
車にダメージを与え続ける内容ばかり。

ちょっとしたクルマへの気遣いで
故障リスクは低減できるので
ぜひ参考にしてもらえましたら^^