ベンツと比較:韓国で半年待ちの人気SUVペリシェード

ヒュンダイ ペリシェード

ヒュンダイのペリシェード。

発売から1年たった今でも
韓国内では半年以上待つような
売れまくっている状況だそうで!

半年前、そして今回の韓国出張で
このペリシェードに同乗して
移動した中で感じたことを

いまメインで乗っている
W221ベンツS550ロングと比較しながら
試乗レポートしたいと思います^^

 





 

①ペリシェードのサイズは

ペリシェード スペック

ヒュンダイの大型SUVである
ペリシェードのサイズを
S550ロングと比較すると・・・

ペリシェード   S550ロング

全長:4980mm  5260mm

全幅:1975mm  1870mm

ホイールベース:
  2900mm   3165mm

こうやってカタログ数値上で見ると
W221のSクラスロングが圧倒的に長い
ボディサイズに見えますが、

実車のペリシェードを見ると
そのボディ形状やデザインのせいか
特に横から見るとかなり長く見えて

カタログを見るまでは
Sクラスと同じくらいの長さかと
思っていたぐらいです。
まさか5mをきった全長とは!

W221 S550ロング サイズ
ヒュンダイ パリセード 全長

室内に関しては
助手席の足元なんかは
ペリシェードのほうがはるかに広い。

そして2列目の足元は
普通の中~大型セダンぐらいの
ゆったり感はあるし、

3列目にしても
罰ゲームな感じは全くない。

パリセード セカンドシート

そして質感に関しても
これといって明確に残念な感じや
違和感を抱かせる部分はなく、

新車価格が邦貨換算400万以下から
という価格帯からすると
十二分の高質感ではないかと。

日本に比べ道の状態が荒れている
韓国の道路をハイスピードで飛ばしても

どこからかガタピシと音が出たり
ビビリ音が出ることもなく
組付け品質もよさそう。

パリセード 質感
パリセード インテリア
個人的にはセンターコンソールが素敵・・・

質感といえば、
グリルも複雑な感じで素敵^^

間近で見ると少し
プラスティッキーな感じが
しないでもないけども

この造形は目を引くし好感です!
洗車の時に水の拭き取りは大変そうだけど・・・

ペリシェード グリル

 

②エンジン、走りはどうか

前回、今回と同乗したのは
クリーンディーゼルのモデル。

エンジンスペックを
比較してみると・・・

ペリシェード   S550後期

排気量:2.2直4  4.7 V8ターボ

馬力:202ps   435ps

トルク:
45kgm/1750~2750rpm71.4kgm/1800~3500rpm

 

この数値上のスペックを見るだけでは
S550後期のV8ターボが圧倒的ですね。

トルクに至っては71.4kgmと
スーパースポーツクラスであっても
上回るのは数えるくらいしかないような
大トルクを発生します。

では、これと比較して
ペリシェードはどうなのか。

街中や高速など数日間
長時間同乗し個人的には

ペリシェードの方が
いいんじゃない?

と思ってしまいました・・・

何がいいかというと、
まずは滑らかなフィール

正直、ベンツのV8よりシルキーで
すっきりしてると思います。

S550は毎日乗っていますが、
ちゃんと暖気してから乗っても
なぜか朝はざらついた感じが。

毎日乗っているからこそ
気になってしまいますし、

ベンツのSなんだからと
わずかなざらついた感じも
許せないんですよね。

まだ距離も2万km台だし
オイル交換とかしっかりやってるのに!

それ比べてペリシェイドは、
うちのベンツもこれくらい滑らかなら
・・・と思ってしまうほどに
うっとりするシルキーさ。

出張中に乗せてもらっている時は
その滑らかさからV6かと思ってたら

帰国してカタログを見てみたら
直4エンジンだということが判明し
これまたビックリ・・・!

サウンドこそディーゼルゆえに
ゴロゴロ音がわずかに聞こえるものの

振動やザラツキは全くないので
V6だとばかり思ってました。

リヤゲートのところに立っているときに
エンジンを始動させた時があったんですが

「フォンっ・・・」

と、低く響いて良い音してましたし^^

ヒュンダイペリシェード ディーゼル

街中~高速道路100km/h程度までの
スピード環境なら体感の加速感
ペリシェードに軍配を上げます。

韓国から帰国し
空港からの帰り道、

S550を運転している時に
やけに加速が鈍く感じ

なんかクルマの調子悪い?

と思ったのですがおそらく
韓国にいる間にずっと乗っていた
ペリシェードの加速感に体が慣れ
そう感じさせたんじゃないかと。

W221のS550はスロットルの味付けや
おそらくECUで制御もされているのか

71.4kgm/1800rpm~という
エンジンスペックの額面通りの
力強さを感じさせてくれることは
あんまりないんですよね。

それに対しペリシェードは
“たった45kgm”のトルクで
車重もそこまで変わらないのに

気持ちいい加速感、トルク感を
シルキーな回転フィールとともに
味わわせてくれます。

で、このエンジンの気持ちよさに加え
いい仕事をしているのがオートマ!

昔から思っていましたが
ヒュンダイのオートマはホントいい。

 

なに言ってんの?
そんないいわけないだろ

 

って声が聞こえてきそうですが
いや~、これが良いんですよ。

いままで出張で韓国に行った際
乗せてもらった車といえば・・・

5代目グレンジャー
5代目ヒュンダイグレンジャー

6代目グレンジャー
6代目グレンジャー

アバンテ
ヒュンダイ アバンテ

キア モーニング
キア モーニング

と、いろいろと
乗せてもらったのですが

どれもオートマの仕上がりが良く
まったく存在感のないATだなと。

存在感がないっていうのは、

・変速ショックがない

・滑り感がない

っていうような乗っている時に
違和感を感じさせるようなものがなく
その結果、存在感がないと。

ホント、ここ10年ぐらいの
最近の韓国車はオートマがいいから
どこのミッションだろうかと思ったら

どうやらATミッションは
ヒュンダイ自社製だそうで。

 

で、ペリシェード。

助手席からタコメーターを凝視し
変速時に違和感を感じないか
“意地悪”にチェックし続けたが

ホント何も感じない・・・!

信号発進からの加速で
シフトアップしていく時は

スッとタコメーターの針が
低い回転数に移行するだけで
体感的に変速したことは感じられず。

巡行時から遅い車を追い抜くような
ちょっと深めにアクセルを踏んで
キックダウンするような時にも

パンっとタコメーターの針が
高い回転に飛び上がるだけで

シフトショックもないし、
滑り感もなくトルク変動が起きずに
粛々と変速を済ませていく。

そして街中で爆走している時に
横道から出てきた車のせいで
強めに減速している時も

シフトダウンが追い付かずに
急にエンブレが効くような
突っかかり感も全くない・・・

もはやDCTは不要と思える
完璧さを感じさせる出来栄え。

 

これに対しW221ベンツSクラスの
7速AT=7Gトロニックは

本当にもともと1600万クラスの
高級車に搭載してたものなの?
って思ってしまうほどお粗末。

発進加速で突っかかり感が
出ることもあるし(特に冷間時)、

アクセルを深く踏み込んで
加速して行く時は

よっこらしょって感じで変速は遅く
変速時の滑らせてる感じがあるし

それにともなうわずかな
加速感の変動も感じさせる。

ちょっと強めに減速するときには
シフトダウンが追い付いていない感じで
急に低いギアに代わるせいか

不快な減速感、不意のエンブレを
感じさせることがしばしば。

前述のとおりまだ2万㎞台ですが
ATF交換で改善されるかもと思い
交換したものの結局変わらずで・・・

 

③乗り心地はどうか?

ペリシェードの前サスペンション
ペリシェード フロントサス
後ろのサスペンション
ペリシェード リヤサス

上の画像のように
ペリシェードはエアサスではなく

一般的なコイルバネの
サスが採用されています。

そしてタイヤは最近の車らしく
20インチタイヤを履いています。

ペリシェード タイヤ

これに対し、ベンツSクラスは
エアサス+ロングホイールベース、

さらにはその車のキャラゆえに
乗り心地で負けてはいけない状況ですが
ペリシェードと比べどうか。

これも個人的には
ペリシェードのほうがいいかも!

韓国の道路は都市部でも田舎でも
全般的に日本と比べ道が荒れています。
これは韓国がどうこうっていうよりも、
日本が年度末など頻繁に掘っては埋めての
道路工事をやっているからキレイなんだと思います。

そんなガタガタとする荒れた道でも
滑走感、浮遊感のある走りをして
ペリシェードの乗り心地のよさを
感じさせてくれます。

ベンツSクラスも当然ながら
滑るような浮遊感がありますが

それはエアサスによるぼんやりとした
フワフワとした滑走感。

それに対しペリシェードは、
スッキリとしたダンピングのきいた
爽快な滑走感とでもいいましょうか。

この乗り味、自分の経験の中では
以前乗っていたE92 BMW M3の
コンフォートモードで感じた
気持ちいい乗り心地と同じであります。

E92 M3
個人的にはSクラスよりE92M3の方が乗り心地いいと思ってます。
こんな引っ張りでツラッツラのツライチにダウンサスだったのに!

スッキリとした路面をなめるような
気持ちのいい滑走感を感じさせてくれて

自分の車歴の中ではE92M3が
意外にも一番乗り心地のいい車として
ランキングされているんですが

そんなE92M3と同じような
気持ちのいい爽快な乗り心地を
荒れた韓国の道で感じさせてくれた
ペリシェード。

いや~ペリシェードいいね~と
感心しながら帰国後に調べてみたら

元BMW Mディビジョンで
チーフエンジニアをしていて
ヘッドハンティングされた

アルバートビアマン氏が
サスセッティングを監修したらしい。

どうりでこういう乗り味になるのかと
妙に納得してしまいました。

ヒュンダイ パリセード 欲しい

シルキーなエンジン、
完璧な仕事をこなすAT、
そして滑らかな乗り味。

これらが三位一体となって
ペリシェードはSUVにもかかわらず

W221のSクラスよりも
滑走感を強く感じさせてくれます。

だから出張中に乗るたびに

うちのベンツも
このフィールだったらな~

と、何度思ったことか・・・

 

④ペリシェードの欠点はコレ

ここまでベタ褒な
ペリシェードですが、

唯一これはちょっと・・・
と思ってしまったことが。

それは、、、

ヘッドライトが暗すぎる

ということ。

パリセード ヘッドライト

ペリシェードは上の画像の部分が
縦型のヘッドライトになっていますが
これが今どきあり得ないくらい暗い!

しかも昔の社外ハロゲンみたいに
青緑っぽい色の光でボヤっとしてて
これはちょっとな~と。

これは安全性の面でも
どうにかしてほしいポイントですね。

パリセード ヘッドライト

さて、韓国やアメリカなどで
人気の大型SUVであるパリセードを

助手席からではありますが
数日間にわたって長時間同乗し
感じたことをいろいろ書きましたが

これ、ホントいいです。

ネットの世界では韓国車というと
否定的な意見が多いと感じますが

ヨン様ブームに乗っかって
日本に参入した当時の韓国車とは
もう別次元の物体だなと。

いや~、ペリシェード。
ホント欲しいです、これ!

 

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